【9月10日 AFP】タイの首都バンコクの市場で今週、脇の下の汗から新型コロナウイルスを検出する携帯型機器の試験が行われた。

 バンコクにあるチュラロンコン大学(Chulalongkorn University)のチャディン・クンシン(Chadin Kulsing)氏は、「新型コロナウイルスの感染者は非常に特徴的な化学物質を分泌していることが分かった」と述べた。

 同大では、新型コロナウイルスに感染した人の汗に含まれる特定の細菌が生成する特殊なにおいを探知する機器を開発している。

 チャディン氏によると、検査の精度は95%で、検体を研究室で解析しなければならない現行の高額な検査に変わる手頃な方法になることが期待される。だが、現在は開発段階で、研究自体の発表も査読も行われていない。

 装置は、環境中の有毒化学物質の検出に使われている機器を改造した。脇の下に15分挟んだコットンを紫外線により殺菌し、解析する仕組みで、結果は30秒で判明する。

 実験に参加した人々は、PCR検査よりも快適だと話す。スイカを売っていたある人は、「結果を待つ間も働ける」とAFPに話した。市場で働く別の人は、「PCR検査のように会場まで行かなくていいので、時間が節約できる」と述べた。

 タイはこれまでで最も深刻な流行の波に見舞われており、9日の新規感染者数は1万6000人、累計感染者は134万人近くに上っている。(c)AFP