【9月10日 AFP】全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2021)は9日、女子シングルス準決勝が行われ、18歳の予選勝者エマ・ラドゥカヌ(Emma Raducanu、英国)が大会第17シードのマリア・サッカリ(Maria Sakkari、ギリシャ)を6-1、6-4で下し、決勝ではレイラ・フェルナンデス(Leylah Fernandez、カナダ)との10代対決が実現することになった。

 予選勝者が四大大会(グランドスラム)の決勝に進むのは今回が初めてで、ロシアのマリア・シャラポワ(Maria Sharapova)氏が当時17歳でウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)を制した2004年の後では、ラドゥカヌがグランドスラムにおける最年少のファイナリストになった。

 ラドゥカヌは「決勝に進んだけれど、実際のところは信じられない」とコメントした。

 一方、世界ランキング73位で19歳のフェルナンデスは、第2シードのアリーナ・サバレンカ(Aryna Sabalenka、ベラルーシ)に7-6(7-3)、4-6、6-4で勝利し、一足先に決勝に駒を進めていた。

 おとぎ話のような驚くべき現実の壮大な物語の中、10代の両神童は11日の決勝で激突し、どちらかがグランドスラムでの初優勝を果たすことになる。

「何か期待があるか?」と切り出したラドゥカヌは、「予選から勝ち上がったのだから、理論の上ではプレッシャーなんてない」と続けた。

 10代同士によるグランドスラム決勝は、当時17歳のセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)が同18歳のマルチナ・ヒンギス(Martina Hingis)氏(スイス)を下した1999年の全米オープン以来で、オープン化(1968年)以降では今回が8度目となる。

 また、世界ランキングトップ100圏外の女子選手が全米オープンの決勝に進むのは、現役引退から復帰を果たして2009年大会を制したキム・クライシュテルス(Kim Clijsters、ベルギー)に続き、ラドゥカヌが史上2人目となる。

 英国人女子が最後にグランドスラムを制したのは、1977年のウィンブルドン選手権で優勝したバージニア・ウェード(Virginia Wade)氏で、全米オープンに関しては1968年のウェード氏にまでさかのぼる。

 仮にラドゥカヌが決勝でセットを失わなければ、2014年のセレーナ以来となる全試合ストレート勝ちでの全米オープン制覇となる。(c)AFP/Jim SLATER