【9月10日 AFP】スリランカ保健省は9日、新型コロナウイルスに感染した場合のリスクを考慮し、女性たちに妊娠の計画を先送りするよう呼び掛けた。スリランカではこの4か月間で新型コロナに感染した妊婦40人以上が死亡している。

 同国では4月中旬のスリランカ正月に合わせて移動制限を緩和したところ、新型コロナの変異株「デルタ株」の感染が急拡大。5月にはコロナ感染による妊婦の死亡が初めて確認された。

 健康増進局のチトラマリ・デシルバ(Chitramali de Silva)局長はAFPに対し「通常、妊婦の年間死亡件数は90~100件だが、流行の第3波以降、新型コロナウイルス感染症による事例だけで41人が亡くなった」と述べた。同氏によると、これまでに新型コロナに感染した妊婦は約5500人。うち70%はワクチン接種を完了していたという。

 政府顧問の産科・婦人科医ハルシャ・アタパトゥ(Harsha Atapattu)氏は「新婚夫婦や子どもが欲しいと思っている人々には、新型コロナウイルス感染症のリスクを考慮し、少なくとも1年は妊娠を先送りするよう」強く求めると述べた。
 
 保健当局はデルタ株では妊婦の重症化リスクが高まる傾向があるとし、専門家らは妊婦にワクチン接種を呼び掛けている。

 スリランカ政府が発表している新型コロナの累計感染者数は約47万5000人、死者は1万500人以上に上っている。だが医師らは、報告漏れなどを合わせると実際の死者数はさらに多い可能性があるとしている。(c)AFP