【9月12日 People’s Daily】中国生態環境相の黄潤秋(Huang Runqiu)氏は記者会見で「第13期5か年計画(2016~20年)で定めた9項目の環境目標をすべてクリアし、中国の環境は明らかに改善した」と述べた。

 2020年は全国の地級市(省と県の中間にある行政単位)以上の都市で大気の優良日数が87%に達し、2015年より5.8ポイント上昇。第13期5か年計画の目標より2.5ポイント上回った。微小粒子状物資のPM2.5の濃度は1立方メートルあたり37マイクログラムで、2015年より28.8%低下。第13期5か年計画の目標を10.8ポイント上回った。

 水質環境では、全国の地表水で優良な水質の割合が2015年の66%から2020年は83.4%に向上。第13期5か年計画の目標を13.4ポイント上回った。汚染が劣悪な劣V類は2015年の9.7%から2020年は0.6%に低下。第13期5か年計画の目標より4.4ポイント向上した。土壌環境では、汚染耕地と汚染土地の安全利用率がそれぞれ90%を超えた。

 国土における森林面積の割合は2020年で23.04%に達し、自然保護区と各種自然保護地域の総面積は18%に及んでいる。また、気候変動対策として2020年の国内総生産(GDP)当たりの二酸化炭素排出量は2015年に比べ18.8%削減。第13期5か年計画のミッションを順調に遂行した。

 黄潤秋氏は「国家統計局の2020年の調査によると、市民の生態環境に対する満足度は89.5%に達し、2017年より10.7ポイント向上した。これは、汚染防止の闘いが段階的に成果を挙げていると民衆が認めた証しだ」と強調した。

 2021年上半期も生態環境の改善は続いている。PM2.5の平均濃度は前年同期比で2.9%低下し、優良な水質の割合は1.1ポイント増加した。

 廃プラスチックなどの固体廃棄物の問題について、黄潤秋氏は「2020年末に輸入をゼロにする目標を実現し、国内外で広く称賛されている。先進国が中国を『ごみ捨て場』に使う歴史は過去のものとなった」と強調した。

 固体廃棄物の輸入は2017年の879万トンから2020年は879万トンに減少し、2020年末にゼロを達成した。生態環境省はこの間、国内では固体廃棄物の違法輸入の取り締まりで約2300社を検査。廃棄物の集積地194か所を解消し、廃棄物が汚染・散乱していた約8000か所を閉鎖した。

 個体廃棄物のリサイクルも着実に増えている。政府はごみ輸入をゼロにすると同時に、国内のリサイクルシステムの改善、リサイクル産業の育成、ごみ分別の推進、資源ごみのリサイクル率向上などを促進している。また、鉄や銅のリサイクルなどで国家基準を制定。2020年の資源ごみ回収量は3億7000万トンに達し、2016年に比べて1億1000万トン増加した。「ごみを宝に変える」ことは経済・社会を発展させる新たなエネルギーとなっている。(c)People’s Daily/AFPBB News