【9月10日 AFP】オーストリアの警察は9日、男(66)が1年以上前に亡くなった母親(89)の給付金を不正受給するため、遺体をミイラにして地下室で保存し続ける事件があったと明らかにした。

 親子は西部チロル(Tyrol)州の州都インスブルック(Innsbruck)近郊で同居していた。警察によると、認知症だったとみられる母親は昨年6月に死去したが、男は遺体を隠して給付金を受け取り続けた。

 供述によると、男は母親の死後、臭いを防ぐために遺体を地下室に運び、氷のうを使って冷却した後、包帯を巻いて体液を吸収させた。

 警察で給付金詐欺を担当するヘルムート・グフラー(Helmut Gufler)氏は、「男は母親の遺体に猫の排せつ用の砂をかけ、ミイラにしてしまった」と公共放送のオーストリア放送(ORF)に語った。

 男は、自宅を訪れた兄弟に母親のことを問われた時、入院していると答えたという。

 母親の給付金を毎月郵送で受け取っていたが、最近になって配達員が代わり、受給者本人に会わせるよう求められた。拒否したことで通報され、4日に遺体が見つかった。

 男は昨年6月以降、5万ユーロ(約650万円)を不正受給していた。検視で殺人による死亡でないことが確認されており、男は給付金詐欺と死体遺棄の疑いが持たれている。(c)AFP