【9月10日 Xinhua News】中国の月探査機「嫦娥5号(Chang'e-5)」が昨年持ち帰った月の土壌試料約0・85グラムが7日、広東省(Guangdong)東莞市(Dongguan)の松山湖材料実験室に引き渡され、同市内で記念式典が開かれた。

 試料を受領した同実験室の研究グループは今後、月面での「その場資源利用(ISRU)」や月土壌の3Dプリントなど基幹技術の研究を含む月土壌の物性や総合利用に関する研究活動を進めていく。中国の深宇宙探査や有人月面着陸、月面科学研究ステーション建設に向け、技術的な検証を提供する。

 中国科学院の院士(アカデミー会員)で同実験室理事長の王恩哥(Wang Enge)氏は「月試料の高度な研究は、月の形成過程をさらに解明するだけでなく、中国の基礎科学研究分野の発展を十分に促進し、新エネルギーや新材料の発見に貴重な財産を提供する」と語った。

 月試料の研究活動は7月12日、国家航天局月探査・宇宙飛行プロジェクトセンターが第1陣に選ばれた13機関に月試料の使用証書を交付する式典を開き、正式に始まった。(c)Xinhua News/AFPBB News