【9月21日 AFP】アフリカ・マラウイ北部の村ヨベヌコシ(Yobe Nkosi)。子どもたちはかつて、夜になるとろうそくの明かりで宿題をしていた。電気がなかったからだ。現在、一人の男性が自家製の水力発電機で、周辺世帯に電気を供給している。

 コルレード・ヌコシ(Colrerd Nkosi)さんは2006年、40キロ離れた町のセカンダリー・スクール(中等教育)を卒業後、村に戻った。その際、電気なしの生活には戻れないと実感した。

 当時23歳だったヌコシさんは、家の前を勢いよく流れる小川に、自分の自転車のペダルを何とか回せるだけの水力があることに気付いた。

 そこで、ありあわせの部品で発電機を作り、家に電気を引いた。

 うわさは瞬く間に広まり、近所の人たちが携帯電話の充電をしに定期的に訪れるようになった。

「電気を使いたいという声が届き始めたので、規模を大きくすることにした」とヌコシさん。

 ヌコシさんは発電技術について訓練を受けたことはなかったが、古い冷蔵庫のコンプレッサー(圧縮機)をタービンに改造。小川に設置して、6世帯分の電気をつくった。

 現在は、使われなくなったトウモロコシの実を軸から外す機械のモーターを活用してより大きな水車を回し、村に電力を供給している。

 村の人々は電気代は支払わないものの、1世帯あたり月に1ドル(約110円)あまりの維持費をヌコシさんに渡している。

 だが、これだけでは修繕費を賄うことができないため、不足分は主にヌコシさんの私費で補っている。

 課題はあるものの、ヌコシさんはこの小規模電力網を周辺地域にも広げたいと考えている。

「より多くの村や学校に電気が通れば(中略)炭を作るために木を切ることはなくなる」とヌコシさん。生徒たちも「勉強する時間が増える」と語った。(c)AFP/Jack McBRAMS