【9月8日 AFP】(更新)ロシア非常事態省は8日、極北ノリリスク(Norilsk)で行われていた訓練に参加していたエブゲニー・ジニチェフ(Yevgeny Zinichev)非常事態相(55)が死亡したと発表した。現地メディアによると、そばにいた男性が崖から落下し、助けようとして犠牲になったという。

 通信各社は、訓練中に「ジニチェフ非常事態相が人命救助を試み、悲劇の死を遂げた」とする同省の声明を報じた。

 ジニチェフ氏が助けようとしたのは、極北で複数の作品を制作している映画監督(63)で、この男性も今回の事故で死亡した。

 国営メディアRTのマルガリータ・シモニャン(Margarita Simonyan)編集長は、「何が起きたか誰にも分からないうちに、ジニチェフ氏が転落した人を追って水に飛び込み、突き出た岩にぶつかった」とツイッター(Twitter)に投稿した。

 現時点では、同氏がいつ死亡したのかは不明。

 大統領府のドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)報道官によると、ジニチェフ氏の訃報はウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領にも伝えられたという。

 ジニチェフ氏は、旧ソ連末期には国家保安委員会(KGB)の一員で、2006〜15年にプーチン氏の警護を担当した後に重用されるようになった。非常事態相には2018年5月に任命され、安全保障会議のメンバーでもあった。

 同氏が参加していた訓練は、7日から2日間の日程で、ノリリスクを含む極北各地の都市で行われ、6000人以上が参加する予定だった。(c)AFP