■求められる「見える化」

 現在の状況は、次の夏季パラリンピックでも続くとみられ、2024年パリ五輪大会組織委員会のトニー・エスタンゲ(Tony Estanguet)会長は、「大会で採用されるスポーツはすでに決まっている」と述べている。その一方で会長は「その中で、IPCにはクラス分けを変更する力がある」とも話している。

 競泳と卓球では、すでに知的障害のある選手向けのクラスを増やしてほしいという声が上がっており、IPCも今年中には判断すると話している。

 国際知的障害者スポーツ連盟(Virtus)のマルク・トリュフォー(Marc Truffaut)会長によれば、問題の一因はIPCと国際オリンピック委員会(IOC)が大会の参加人数に上限を定めていることだという。会長は「それが一番の難題だ。制限がある以上、新しいカテゴリーを増やすには別のどれかを廃止しなくてはならない」と指摘する。

 会長は、知的障害のある選手の参加を拡大したいと考えており、今の1クラスだけでは「特に自立している選手しか参加できない」と話している。

 Virtusの目標は、仮にメダル争いには絡めず、デモンストレーションとしての参加になるとしても、2024年パリ大会にあらゆるタイプの知的障害者が出場することだという。会長は「ただ状況を動かし、見える化すれば、代表枠を変えられるようになるはずだ」と話している。(c)AFP/Clement VARANGES