【9月8日 People’s Daily】今年上半期、中国経済は安定の中で好転し、消費回復の勢いが持続的に強まり、一部の消費アップグレード商品は比較的速い成長を維持している。

「消費アップグレードの裏で、セグメンテーションもますます顕著になり、個性化、多様化した消費が成長の重要なトレンドとなっている」と、国際貿易促進委員会研究院の趙萍(Zhao Ping)副院長は述べた。

 報告によると、小さな町の青年、女性、高齢者の消費者など多くの細分化されたグループの経済はいずれもすでに兆元単位の市場に入り、力強い消費の潜在力を解放している。

 中国の週刊誌「瞭望(Outlook Weekly)」2020が発表した「小都市青年消費研究報告」の分析によると、一線、二線都市に対し、小都市住民の必要な生活コストは可処分所得の中での割合が低く、多くの要因が彼らの消費意欲を刺激し、より高い消費能力を付与している。

 小さな町の若者の消費需要が旺盛なだけでなく、現在中国ではさまざまな種類の新しい消費者グループが続々と現れている。趙副院長は「消費アップグレードの過程で、市場区分は主に地理、家庭形態、性別、所得など多次元に基づき、このうち独身者、女性、高齢者の消費者は典型的な細分化された消費者グループに属する」と述べた。

 ワンルームマンションを借り、一人食の出前を注文し、仕事が終わったら家で動画を見たり、週末にはオンライン授業を受けたりするなど、楊浦区(Yangpu)に住む35歳の楊洋(Yang Yang)さんは、上海で12年間このように暮らしている。報告によると、楊さんのような自分のために消費したい独身消費者グループは42%で、非独身消費者の27%よりも高い比率を占めている。独身者グループの消費潜在力は軽視できない。

 各ECプラットフォームは休祝日になると、異なるグループに特化したマーケティングキャンペーンを行い、消費を喚起する。今年の国際婦人デー前後に、あるECプラットフォームの日常化粧セットの売り上げは前期比13倍増となった。生活観の転換と生活水準の向上は、高齢者の消費構造と消費需要が品質化、多極化、個別化、便利化などの傾向を呈した。関係部門は「第14次五か年計画」時期に、中国の高齢者人口は3億人を超え、巨大な消費潜在力を秘めていると予測している。

 消費アップグレードは消費市場のさらなる細分化を促す。「出稼ぎやインターネットを通じて知った情報がますます全面的かつ先端的になるにつれ、小さな町の青年層の品質消費に対する需要は明らかに高まっている。現在、家電産業は発展モデル転換期にあり、スマート、ヘルスは県郷市場の家電消費の新たな看板となっている」と、あるECプラットフォーム担当者は述べた。

 国務院発展研究センター市場経済研究所の任興洲(Ren Xingzhou)研究員によると、消費アップグレードは消費者グループに関わらず、品質に対する要求が高まったことを示す。セグメンテーションはアップグレードの過程でますます重要になり、将来には消費者のペルソナを具体的かつ適切に描くことが成長の加速につながっていくだろう。

 国家統計局のデータによると、上半期の中国実物商品のオンライン小売売上高は前期比18.7%増となり、伸び率は前期比4.4ポイントアップした。ネットショッピングと密接に関連する郵政速達業の成長状況を見ると、今年7月初めの時点で中国の宅配便取扱量は500億件を超え、既に18年通年の取扱量に迫っている。(c)People’s Daily/AFPBB News