【9月7日 AFP】中米ホンジュラスの最大野党が、現在外交関係のある台湾と断交し、中国と国交を結ぶと公約したことを受けて、台湾は6日、ホンジュラスに対し、中国の約束は「うわべだけの虚偽」だと警告した。

 マヌエル・セラヤ(Manuel Zelaya)元大統領の妻で、最大左派野党のLIBREから大統領選に出馬しているシオマラ・カストロ(Xiomara Castro)氏は先に、もし11月の選挙で勝利すれば「直ちに中国本土との外交・貿易関係を結ぶ」と発言していた。

 これを受けて台湾外交部はホンジュラスに対し、「中国政府による約束は大抵、うわべだけの虚偽であり、台湾と同盟国との関係を妨害するための常とう手段であることを思い出してほしい」と訴えた。

 外交部はホンジュラスの状況を注視しているとし、80年に及ぶ同国との関係の強化を継続していくと明言した。

 現在、台湾と正式な外交関係を結んでいるのはホンジュラスを含む15か国のみ。近年、中米のパナマ、エルサルバドル、ドミニカ共和国を含む7か国が台湾と断交し、代わりに中国と国交を結んだ。

 中南米はかねて、中台関係の主戦場となっている。台湾政府は最近、中国政府が同域で「ワクチン外交」を展開し、各国が切望する新型コロナウイルスワクチンの提供を約束しては、台湾から同盟国を奪おうとしていると非難している。

 ホンジュラスのカルロス・アルベルト・マデロ(Carlos Alberto Madero)総括相は5月、英高級紙フィナンシャル・タイムズ(FT)に対し、ホンジュラス政府は台湾との関係維持を望んでいるが、ワクチン確保は何よりも喫緊の課題であり、このため政府は「非常に難しい立場に置かれた」と述べていた。(c)AFP