【9月6日 AFP】イスラエル当局によると6日、同国北部の刑務所からパレスチナ人6人が脱獄した。洗面台の下に掘ったトンネルを使用したとみられる。脱獄したうちの1人はパレスチナ武装組織の著名な元幹部で、大規模な捜索が行われている。

 イスラエル矯正局(IPS)の発表によれば、午前3時(日本時間同9時)ごろ、ギルボア(Gilboa)刑務所の近くで「怪しい人影」を地元住民が目撃し、当局に通報した。

 IPSは脱獄者の中に、パレスチナ解放機構(PLO)主流派のファタハ(Fatah)系列の武装組織「アルアクサ殉教者旅団(AAMB)」の元幹部で、イスラエル占領下にあるパレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)のジェニン(Jenin)で活動したザカリア・ズベイディ(Zakaria Zubeidi)元司令官が含まれていることを明らかにした。

 ズベイディ元司令官は、パレスチナとイスラエルの双方で有名な人物。

 IPSと警察によると、警察、軍、特殊部隊を動員し捜索犬も投入した大規模な捜索活動が直ちに開始された。周辺地域には検問所が設置され、空からも捜索が行われている。

 IPSは、ギルボア刑務所内に他にも脱獄用トンネルが掘られている可能性を考慮して、「治安法違反」で同刑務所に収容されている400人全員を別の施設に移送する方針だ。(c)AFP/Ben Simon