【9月6日 AFP】スーダン当局は、首都ハルツームの空港に到着した隣国エチオピア発の旅客機から武器の入った貨物を押収した。国営スーダン通信(SUNA)が5日伝えた。報道によると、72個の箱に武器や暗視双眼鏡などが入っていたという。

 SUNAによれば、問題の貨物はエチオピア航空(Ethiopian Airlines)の旅客機で運ばれ、4日夜にスーダン税関当局に押収され、直ちに捜査が開始された。「(エチオピアの首都)アディスアベバからエチオピア航空機で武器が輸送される」との情報提供がスーダン当局にあったとしている。

 SUNAは当局者の話として、押収された武器はもともと2019年5月にロシアからエチオピアに輸送されたもので、エチオピア当局が2年間にわたり差し押さえていたと報じた。

 また、「アディスアベバの当局が事前通告なしに旅客機で(武器を)ハルツームに輸送することを許可した」とSUNAは伝え、問題の武器は「民主主義への移行を妨げ、文民統治への移行を阻止するための反国家犯罪に使われる予定だった疑いがある」としている。

 スーダンでは、長く独裁体制を敷いていたオマル・ハッサン・アハメド・バシル(Omar Hassan Ahmed al-Bashir)前大統領が2019年4月、大規模デモの末に失脚。現在は民軍共同の統治評議会による暫定政府の下、民政移管を目指している。

 スーダンとエチオピアの関係は、スーダンが領有権を主張する肥沃(ひよく)な国境地帯でのエチオピア農民による耕作をめぐって悪化している。両国はまた、ナイル川(Nile River)上流の巨大水力発電用ダム「大エチオピア・ルネサンスダム(Grand Ethiopian Renaissance Dam)」をめぐっても対立している。(c)AFP