【9月6日 AFP】1980年代に一世を風靡(ふうび)し、ありえないほどしぶとく生き残っている髪形「マレット」のフェスティバルが4日、フランス中部の村シェニエ(Cheniers)で開催された。マレットヘアコンテストでは、ベルギー人男性が欧州チャンピオンに選ばれた。

 前は仕事モードで、後ろはパーティー仕様のマレットは、尊敬されることもあれば、ばかにされることもある。だが、フェスティバルに集まった500人にとっては、単なる髪形を超えた存在だ。

 ベルギーから来たユベールさんは、「自分自身を笑うことができる、一つの生き方だ」と語る。ベルギーでは2年前、第1回マレット・フェスティバルが開催された。

 参加者らは自慢のマレットを見せびらかしながら、ビールを飲んだり、プロのスタイリストにカットしてもらったりしていた。主催者は、新型コロナウイルス対策の集会制限がなければ、参加者数はこれをはるかに上回ったと話した。

 主催者のヨハン・デトゥール(Johan Detour)さんは、「面白半分だった。落ち込んでいた友人に、別の友人が『間抜け(マレットヘッド)に見えるぞ』と言ったのがきっかけで、このイベントのアイデアが思い浮かんだ」と話した。

 マレットヘアコンテストには約100人が出場。マレット歴20年のベルギー人トラック運転手ニコラス・バンデルケレン(Nicolas Vanderkelen)さんが優勝した。

 前回大会の優勝者、フランス人のゴーティエ・イスタン(Gauthier Istin)さんは、バンデルケレンさんの優勝を祝福し、「トロフィーの中に私の髪の毛を数本入れておいた。次のチャンピオンも続いてくれることを期待する」とコメントした。

 フェスティバルに参加していたジュリアンさんはビールを片手に、「肌の色、性別、服装、髪形に関係なく、みんなが同じように見られることを望んでいる」と語った。(c)AFP/Tristan BARRAUX