字幕:9.11生還者の証言:救急隊員──鳴り響く警報、力尽きた消防士
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■立ち直る力
「ニューヨーカーはタフだし、立ち直る力があった。皆、街から逃げ出さなかった。粘り抜いた。私も粘り抜いた」とキムさん。現在はニューヨーク市郊外にあるウエストチェスター緊急医療サービス(Westchester Emergency Medical Services)の幹部だ。
9.11直後、キムさんはかつてない愛国心の高まりを感じたと言う。「人々がプラカードや支援で示した気持ちのほとばしりは、とてつもないものだった」
さらに大惨事で「命がいかに尊く、もろいか」を実感したと語る。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行は、このはかなさの感覚をさらに増幅した。
「自分たちのキャリアや仕事人生、プライベートな生活で直面する困難は確かに切実だ。でも、もっと大きなことに思いを致せば、広い視野から捉えられる。ポジティブに取り組める」とキムさんは説く。
3年前、ニューヨークのハーフマラソンに妻と出場したキムさんは、彼の命を救った歩道橋の橋脚に差し掛かった。普段は車の流れが多く、近寄ることができない。
キムさんは橋脚にキスをして、また走り出した。
映像は5月に取材したもの。(c)AFP/Laura BONILLA