【9月6日 People’s Daily】中国吉林省(Jilin)では、農村女性の就業・創業を促す「吉林巧姉(女性腕達者)」手作りプロジェクトを実施している。無料で研修を行い、技術を教える。eコマースプラットフォームを構築し、製品の販路を広げる。より多くの農村女性が研修に参加することにより一芸を身につけ、就業、安定的増収を実現してきた。

「編むときに、赤い糸をもっと使ったほうがいい、こうすると編んだかごがもっと喜ばしく見える」。取材を受けている吉林省吉林市南山道村の村民、邵明双(Shao Mingshuang)さんは草編みの心得を分かち合いながら、手を止めることなくこのように語った。ほどなくしてトウモロコシの葉で編んだ小さなかごのひな型が見えてきた。「一つのかごで十数元稼げる。今、手に職で稼げるようになったのは、『巧姉』研修クラスのおかげだ」と、邵さんは言った。

 邵さんは幼い時転んで脊柱に傷を負った。肢体4級障害に認定され、上半身の完全な直立ができない。頸椎(けいつい)、腰椎もしょっちゅう痛む。夫がなくなった後、邵さんは家の数ムーの畑を請負に依頼した。ほかの主要な収入源がないため、生活保護補助金や近所の針仕事の雑事の手伝いで暮らしている。「この体では誰も雇ってくれないでしょう」。当時の彼女の収入は年間わずか5000元(約8万5000円)あまりで、何年も新しい服を買う余裕もなかった。

 2016年8月、吉林市高新区(Gaoxin)婦女連合会と身体障害者連合会のスタッフが相次いで邵さんに連絡した。近くの柴家村に「吉林巧姉」という草編み研修クラスがあり、無料で草編みの技術を教え、、授業、材料、食事、宿泊も無料だという。研修クラスで、トウモロコシの葉が精緻な工芸品に変わるのを見て、「これだと家でも作れるし、そんなに体力も必要としない、彼らが勧めてくれたこのクラスは私にぴったりだ」と、邵さんの心が動いた。

 ここ数年、吉林省は全省で「吉林巧姉」手作りプロジェクトを実施し、各級の婦連が域内の手工芸従事者を組織し、農村女性や、失業する都市女性などのために、無料で手作り研修を展開している。コースの設置は各地域の天然資源や民俗文化の長所を生かしたものだ。現在、全省はすでに草編み、布製品制作、マトリョーシカ描画、樹脂工芸品制作など20余りの種別の手作り訓練を展開しており、累計訓練はのべ6万人分余りに達した。

 農村女性のインターネットスキル向上の支援のため、吉林市婦連は同市商務局と連携し、「吉林網姉」研修クラスも開設し、ネット体験、実践技能、ネット販売などの研修を無料で行っている。同時に、意欲のある女性が「吉林網姉」のネットショップをインキュベーションするのを支援し、電子商取引初心者の女性のために無料で場所、施設、倉庫と市場価格を下回る物流輸送の「三免一低(三つの無料と一つの低価格)」サービスを提供する。多くの人が「吉林網姉」の電子商取引と「吉林巧姉」の手作りを組み合わせ、オンライン注文、オフライン生産などの形態を開拓することを決め、村の「販売促進パーソナリティー」はますます増えている。これまでのところ、吉林市だけでも1200人の「吉林網姉」を育成している。

 不完全な統計によると、「吉林巧姉」プロジェクトの実施以来、8万人余りの女性が創業と在宅勤務を実現し、1人当たり年間5000元以上の増収を達成した。同プロジェクトの手作り製品の売上高はすでに4億元(約68億円)を超えている。(c)People’s Daily/AFPBB News