【9月6日 AFP】西アフリカのギニアで5日、軍の特殊部隊がクーデターを起こし、権力を掌握した。大統領を拘束し、無期限の外出禁止令を発令した。

 軍服を着た将校はAFP宛ての映像で「大統領を拘束後、憲法を停止することを決定した」と述べた。

 また、国境を封鎖し、政府も解散したと明らかにした。

 これに先立ちクーデター首謀者からAFPに送られてきた別の映像には、兵士に囲まれてソファに座るアルファ・コンデ(Alpha Conde)大統領(83)の姿があった。コンデ氏は一人の兵士から不当な扱いを受けたか聞かれたが、回答を拒んだ。

 軍は5日、「新たな通知があるまで」全国に夜間外出禁止令を出すと宣言。また、6日午前11時(日本時間同日午後8時)にコンデ政権の閣僚を招集し、拒否した場合には「抵抗」とみなすとした。

 さらに、知事や他の行政トップは軍が務めることになると付け加えた。

 ギニアの人口は約1300万人。鉱物資源が豊富であるにもかかわらず最貧国の一つで、政情不安が長期にわたり続いている。

 国連(UN)のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長はツイッター(Twitter)でクーデターを非難し、コンデ大統領の即時解放を求めた。

 ギニアで最後に行われた昨年10月の大統領選では、暴力や不正が指摘されていた。

 大統領の任期は2期までと定められていたが、コンデ氏は昨年3月に改憲し、3選を果たした。

 これに抗議するデモでは、デモ隊と治安部隊が衝突。数十人が死亡し、数百人が逮捕された。

 昨年11月7日にコンデ氏の大統領就任が宣言されると、政府は取り締まりを実施。選挙時の暴動を扇動したとして、複数の有力な対立派メンバーを逮捕した。

 映像序盤は大統領邸から500メートルほど離れた場所で撮影されたもので、銃声が聞こえる。5日撮影。映像中盤はAFPに送られてきたコンデ氏の映像、5日撮影・提供。映像終盤は首都コナクリの様子。5日撮影。(c)AFP/Mouctar Bah