英国、「ペット誘拐罪」新設へ コロナ禍で盗難被害多発
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【9月12日 AFP】英政府はこのほど、新型コロナウイルス流行下で犬などのペットの盗難事件が急増したことを受けて、刑事罰の対象として「ペット誘拐罪」を導入する計画を明らかにした。
ペットの誘拐を新たな犯罪として規定することは、コロナ禍でのペットの盗難被害の急増に対処するため5月に立ち上げられたタスクフォースの提言の一つ。
環境・食料・農村省によると、英国では数回に及ぶロックダウン(都市封鎖)期間中にペットを飼うことへの関心が急激に高まり、一部犬種の価格はロックダウン前と比較して最大89%も高騰した。このため「犬泥棒」が横行し、昨年の被害届は約2000件に上った。
政府、警察、検察、その他の法執行機関の関係者らで構成されたタスクフォースは、研究者や動物保護団体をはじめとする専門家から提出された証拠を検討した。
4日に公開された報告書には、ペットの盗難に関する信頼性の高いデータを記録してデータベースを強化することや、ペットの登録の際に必要な情報の項目を追加し、16か所ほどあるペット用マイクロチップのデータベースへのアクセスを一元管理することで、行方不明のペットを捜索しやすくすることなどが提言されている。
ペット誘拐罪は、新たな法律に基づいて創設される。報道によると、議会で審議中の警察と刑法に関する法案に盛り込まれる可能性がある。
王立動物虐待防止協会(RSPCA)のクリス・シャーウッド(Chris Sherwood)代表は、英政府の方針を歓迎。「これにより、裁判所がペット泥棒により厳しい判決を下すようになることを期待する」と述べた。(c)AFP