【9月4日 AFP】全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2021)は3日、男子シングルス3回戦が行われ、大会第3シードのステファノス・チチパス(Stefanos Tsitsipas、ギリシャ)は3-6、6-4、6-7(2-7)、6-0、6-7(5-7)で18歳のカルロス・アルカラス(Carlos Alcaraz、スペイン)にまさかの敗戦を喫した。

 全米オープンでは一度もベスト16入りを果たせていないチチパスは、アーサー・アッシュ・スタジアム(Arthur Ashe Stadium)で行われたこの一戦に敗れた後、「勝てる試合だった」と悔しさをにじませ、「きょうは負けるはずがなかった。この試合から学んでいくだけだ」とコメントした。

 チチパスは試合の重要な場面で長いトイレ休憩を取り、ライバルのアレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)やアンディ・マレー(Andy Murray、英国)から反則まがいの行為だと冷笑されている。

 ズベレフは約2週間前、米シンシナティ(Cincinnati)で行われたウェスタン&サザンオープン(Western & Southern Open 2021)で、チチパスが同様の休憩を取った際にコーチからの助言を受けているとの批判を展開していた。

 今大会から姿を消し、何の文句も言われずに好きなだけトイレ休憩を取れることになったチチパスは、「一連の批判は全て完全に間違っている」とし、「シンシナティで言われたことは、人生で耳にした中で最もばかげていた。言葉が見つからない。あれは発言者のレベルをまさに表している」と言い放った。

 そのためチチパスは、この日は第3セットを落とした直後にそれが通常の長さのトイレ休憩であってもブーイングを浴びたり、観客が明らかにアルカラスを終始味方していたりしても特にショックを受けておらず、「誰もが自分のファンだというふりをするつもりはない。誰からも愛されるように振る舞っているのではない」と語った。

 コーチング違反やタイムバイオレーションを警告された際にも、観客からのブーイングを軽くあしらうそぶりを見せていたチチパスは、トイレ休憩やウエアの着替えに時間制限は設けられていないと指摘しつつ、「何の理由もなく、こういったことが自分に向けられているのは分かっている」と話し、「湿ったウエアを乾いたものに着替えただけだ。それは明らかに大きな問題だ」と主張。

 続けて「自分は普通の選手と同様にトイレ休憩を取った。他の選手より少し長かったかもしれない」としながらも、「だが、許された休憩時間に制限を設ける規則があるというのなら、努力してその手順に従うつもりだ」と語った。(c)AFP/Jim SLATER