【9月4日 AFP】全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2021)、男子シングルス3回戦でノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)と対戦する錦織圭(Kei Nishikori)は、7年前に番狂わせを起こしたときのような攻撃的なプレーで試合に臨むと意気込んだ。

 2014年の全米準決勝でジョコビッチに勝利している錦織は、4日に16強入りを懸け、年間グランドスラムに挑んでいる大会第1シードのジョコビッチと戦う。錦織は以降16連敗中のジョコビッチとのライバル関係を楽しんでいるという。

「彼はツアー最高の選手の一人。間違いなく最もタフな相手なので、彼とプレーするのがいつも好きなわけではない。自分は常にチャレンジを好む。記録が悪くても前向きであるよう心がけている。厳しい試合になるのは分かっているがベストを尽くす」

「全てのポイントでタフさを維持できた。あの試合はかなりアグレッシブなプレーだった」と2014年の試合を振り返った錦織は、「キャリア最高の試合の一つだった。彼は最高の選手だが、良い記憶もあるし、前に彼をここで倒している。全米オープンというのはポジティブな要素だ」と話した。

「辛抱強さが必要。彼を倒すには最高のプレーをしなければならない。同時に攻撃的にいかなければならない。自由にポイントを取らせてくれることはないので、自分でポイントを取りにいかなければならない。積極性がかぎになると思う」

 ジョコビッチ戦は究極のチャンレンジだという錦織は、「彼の一番良いところはボールコントロールだと思う。両サイドからどこにでもボールを打つことができる。サーブも良い。リターンも群を抜いている。要するに彼は全てを持っている」と評した。

 最後の勝利から7年間ジョコビッチに負け続けている錦織だが、勝機は再びやってくると考えている。「そう期待する。全ての試合で願っている。彼はとにかくタフな選手だ」

 一方、直接対決で通算17勝2敗と大きく勝ち越しているジョコビッチは、錦織に勝てば男子では1969年のロッド・レーバー(Rod Laver)氏以来の年間グランドスラムまであと4勝となる。

 また、今大会で優勝を果たせば、いずれもけがで欠場しているロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)とラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)を上回り、男子では史上最多21回目の四大大会(グランドスラム)制覇を達成することになる。

 ジョコビッチは錦織との対戦成績は頭にあるとしつつ、勝つまで数字に意味はないと気を引き締めた。

 直近では東京五輪の準々決勝で錦織に勝利しているジョコビッチは、「彼は自分が見てきた中で最も素早く才能に恵まれた選手だ」とコメント。「彼は速さを好むから、良いサーブを打ってその速さを少し狂わせることが重要だ。早打ちでラインを守るのが好きな選手だ」と分析した。(c)AFP/Jim SLATER