【9月4日 AFP】全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2021)は3日、男子シングルス3回戦が行われ、18歳のカルロス・アルカラス(Carlos Alcaraz、スペイン)が6-3、4-6、7-6(7-2)、0-6、7-6(7-5)で大会第3シードのステファノス・チチパス(Stefanos Tsitsipas、ギリシャ)を撃破し、四大大会(グランドスラム)では自身初のベスト16入りを果たした。

 今年の全仏オープン(French Open 2021)で準優勝を果たしたチチパスを破ったアルカラスは、全米オープンでは1989年のマイケル・チャン(Michael Chang)氏(米国、当時17歳)、グランドスラムでは1992年の全仏オープンでアンドレイ・メドベージェフ(Andrei Medvedev)氏(ウクライナ、当時17歳)が成し遂げたのに次ぐ若さで4回戦に進出した男子選手となった。

 また、1973年に世界ランキング制度が始まって以降、全米オープンの男子で世界3位以上に勝利した最年少の選手となり、他の大会を含めても2017年のロジャーズ・カップ(Rogers Cup 2017)で当時世界2位のラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)に勝利したデニス・シャポバロフ(Denis Shapovalov、カナダ)以来の快挙を成し遂げた。

 世界ランク55位のアルカラスは、7月のクロアチア・オープン(Croatia Open Umag 2021)でATPツアーでは自身初のタイトル獲得を果たしており、2008年のデルレイビーチ国際選手権(Delray Beach International Championships)で当時18歳の錦織圭(Kei Nishikori)が優勝して以来の若きチャンピオンとなった。

「ナダルの後継者」との呼び声が高いアルカラスはこの日、アーサー・アッシュ・スタジアム(Arthur Ashe Stadium)の観客を味方につけると、ウイナーを何本もさく裂させて会場を大いに沸かせた。

 第3セットではチチパスが第5ゲームと第7ゲームをブレークして5-2とリードした後、アルカラスが第8ゲームと第10ゲームでブレークバックに成功してタイブレークに持ち込んだ。

 このタイブレークで1-4の劣勢に立たされたチチパスは、コーチング違反で警告を受けた直後にダブルフォールトを犯し、最後はアルカラスがバックハンドウイナーを決めて同セットをものにした。

 第4セットの前に観客からブーイングされながらトイレ休憩を取ったチチパスは、今回はわずか5分でコートに戻り、同セットを6-0で制して勝負を最終セットに持ち込んだ。同選手がトイレ休憩の後に1ゲームも落とさなかったのは、これが2試合連続となった。

 最終セットのタイブレークはチチパスのサービスエースでスタートしたものの、アルカラスが6-3と引き離した後、フォアハンドのウイナーで4時間7分に及ぶ激戦に終止符を打った。

 勝利の瞬間、背中からコートに倒れ込んで勝利を喜んだアルカラスは、4回戦で世界ランク141位のピーター・ゴヨブジク(Peter Gojowczyk、ドイツ)と対戦する。

 ゴヨブジクはヘンリ・ラークソネン(Henri Laaksonen、スイス)との3回戦を3-6、6-3、6-1、6-4で制した。(c)AFP/Jim SLATER