【9月4日 AFP】米アップル(Apple)は3日、スマートフォン「iPhone」などの同社製端末で導入を予定していた児童ポルノ対策について、プライバシー侵害だとの批判が出たことから、導入を延期すると発表した。

 アップルは先月、iPhoneやタブレット型端末「iPad」を対象に、米国内のオンラインストレージにアップロードされる児童性的虐待の画像を検出し、通報する技術を近く導入すると発表。その直後、デジタル権利団体は、アップルの基本ソフト(OS)改変によって、政府などが利用できる「バックドア(セキュリティーの抜け穴)」が生じる恐れがあると指摘していた。

 アップルは、消費者や権利擁護団体、研究者などからの反響を理由に、延期を発表。「これらの非常に重要な児童保護機能を導入する前に、今後数か月かけて情報収集や改善に取り組むことを決めた」と説明した。

 導入が予定されていた新技術では、アップルのモバイル端末に搭載されたソフトウエアが、ユーザーの端末上にある虐待写真を、児童の権利保護団体が作成した児童性的虐待画像データベースと照合。同社のクラウドストレージサービス「iCloud(アイクラウド)」にアップロードされる問題写真を検出する仕組みだった。

 同社は、照合プロセスには「暗号技術が用いられ」ており、児童性的虐待に当たる内容が含まれた画像でない限り、「結果を明かすことなく一致の有無を」判定できると説明している。(c)AFP