EU、タリバンに関係構築条件を提示 代表機関設置も視野に
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【9月4日 AFP】欧州連合(EU)は3日、アフガニスタンで権力を掌握したイスラム主義組織タリバン(Taliban)との関係構築を進めていく条件を提示するとともに、治安状況が許せば首都カブールに代表機関を設置することに加盟諸国が合意したと明らかにした。
欧州委員会(European Commission)のジョセップ・ボレル(Josep Borrell)外交安全保障上級代表は、スロベニアで行われたEU加盟各国の外相らとの会合後に「アフガニスタン新政府と関係を構築していかなければならない。ただこれは承認を意味するわけではなく、業務上の関係構築だ」と言明。その上で、「この業務上の関係は、新政府の行動次第で深まっていくだろう」との考えを示した。
またボレル氏は、新政権の発表に向けて準備を進めているタリバンが満たすべき「基準」を提示。これには、アフガニスタンがテロの温床にならないようにする措置や、女性とメディアの権利の尊重、「包摂的で国を代表する」政府の樹立、援助の容認などが含まれている。
同氏はさらにタリバンに対し、「危険」な状況下にある外国人とアフガン国民の出国を許すという約束の順守を要求。タリバンとの協議や、EUが退避させられなかったアフガン市民の出国が可能な治安状況になれば、EUが代表機関をカブールに設置することで加盟各国が合意したと述べた。
EUは、アフガニスタンから欧州への移民の大量流入を回避するため、周辺国との連携を強化していく方針も示している。ボレル氏は、情勢の安定化に向け、EUはアフガニスタンの周辺諸国と共に「地域の政治プラットフォーム」の構築を目指していくと述べた。(c)AFP