【9月1日 AFP】中国で1日、新年度に合わせ、「習近平(Xi Jinping)国家主席の思想」が盛り込まれた新しい教科書の使用が始まった。若い世代に習氏の個人崇拝を広げ、愛国主義者を育成することが狙い。わずか7歳から対象となる。

 教育省は1日に開始する新年度から、習氏の政治的イデオロギーを小学校から大学までの全国の教育カリキュラムに取り入れる方針を発表している。ただ、政治的イデオロギーの定義は曖昧だ。

 新カリキュラムに関する政府の通達によると、小学校教師には「若者の心に党と国、社会主義を愛する種を植え付ける」ことが求められる。

 新しい教科書は、習氏の言葉や笑顔の写真が掲載されている。小学校の教科書には、中国文明の功績の他、貧困削減、新型コロナウイルスとの闘いにおける共産党の役割などが盛り込まれた。習氏の愛国主義や義務に関する発言や、市民との交流の逸話なども学ぶ。

 複数の保護者は、新カリキュラムへの不安を口にしたが、外国メディアの取材に応じるとトラブルになる恐れがあるとし、AFPのインタビューに応じなかった。

 一方、中国版ツイッター(Twitter)の微博(ウェイボー、Weibo)のあるユーザーは今回の政策について、「子どもの頃から洗脳が始まる」と投稿した。(c)AFP/Jing Xuan TENG/Laurie CHEN