【8月31日 AFP】メキシコの失踪者の家族らが30日、「強制失踪の被害者のための国際デー(International Day of the Victims of Enforced Disappearances)」に合わせ、大統領府前で抗議集会を行った。

 家族らは「9万人以上。どこにいるのか?」と訴え、数万人を捜し出すためのさらなる努力を政府に求めた。

 マリア・テレサ・バラデス(Maria Teresa Valadez)さん(39)は、「政府はなぜ他のことに神経を使い、強制失踪を気にしないのか?」と問い掛けた。マリアさんの兄弟のフェルナンドさんは、2015年に北部ソノラ(Sonora)州で消息を絶った。

 国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のメキシコ事務所は当局に対し、失踪者とその家族の権利保障を強化するよう要請。「失踪は最も恐ろしい人権侵害の一つであり、(中略)各機関による献身的かつ協調的な対応が必要だ」としている。

 一方、同事務所は、昨年3月に数千人の遺体の身元確認を目的とした法医学チームが発足したことなど、これまでの取り組みについては評価した。(c)AFP