【8月31日 AFP】ウクライナ南部の都市オデッサ(Odessa)で、旧ソ連の独裁者ヨシフ・スターリン(Joseph Stalin)による「大粛清」の犠牲者とみられる数千人の遺骨が発見された。地元当局が25日、明らかにした。

 およそ5000~8000人の遺骨は、オデッサの空港付近の20か所余りで見つかった。ウクライナで発見されたものとしては最大規模。

 国立記憶研究所(Institute of National Memory)の地方館長を務めるセルギー・グツァリュク(Sergiy Gutsalyuk)氏はこれらの遺骨について、国家保安委員会(KGB)の前身で、スターリンの秘密警察として知られた内務人民委員部(NKVD)が1930年代に処刑した人々とみている。

 グツァリュク氏はAFPに対し、発掘は続いていることから犠牲者数は増える可能性があると話している。

 同氏によると、これらの遺骨は空港拡張計画の一環として予備調査が始まった際に見つかった。この一帯では数年前から、多くの遺骨が発見されているという。

 犠牲者の身元について同氏は、当時の記録は機密文書としてロシア首都モスクワで保管されており、「ロシアの現政権下では、これらの文書がわれわれに引き渡されることは決してない」として、特定は不可能だろうとの見方を示した。

 映像は続けられている発掘と、一緒に見つかった靴底などの遺物。30日撮影。(c)AFP