【8月31日 AFP】(更新)米国防総省は30日、アフガニスタンから最後の米軍部隊が撤退したと発表した。同国で20年にわたり続いた紛争は、イスラム主義組織タリバン(Taliban)による政権掌握という形で幕を閉じた。

 米中央軍(CENTCOM)のケネス・マッケンジー(Kenneth McKenzie)司令官は「アフガニスタン撤退の完了をここに宣言する」と述べた。

 発表を受け、アフガニスタンの首都カブールでは31日未明、銃声が鳴り響いた。現地のAFP特派員らは、複数のタリバン検問所からの祝砲の音や、グリーンゾーン(Green Zone)を警備する戦闘員の歓声を聞いた。

 マッケンジー氏によると、最後の便は大型軍用輸送機C17で、現地時間の30日午後11時59分(日本時間31日午前4時29分)にカブール国際空港(Kabul International Airport)を離陸した。ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領は、撤退の期限を8月31日と定めていた。

 マッケンジー氏は、最後の退避便には米軍のアフガン地上部隊司令官と、ロス・ウィルソン(Ross Wilson)大使が搭乗したと説明。7月以降に12万人以上を退避させたものの、「退避させたかった人全員を連れ出せなかった」ことを認めた。

 2週間にわたった退避作戦では、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」のアフガン分派「イスラム国ホラサン州(IS-Khorasan)」による2回の攻撃を受けたことから、最終便の離陸は厳重な警備の下で行われた。このうち、26日の自爆攻撃では米兵13人を含む100人以上が死亡した。

 タリバンは米国と激しい敵対関係にあるが、マッケンジー氏は、退避と最終便の運航では「非常に協力的で、役に立った」と述べた。(c)AFP