【8月30日 AFP】30日から始まる全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2021)の男子シングルスでは、世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が52年ぶりの年間グランドスラム達成と、男子では最多となる21個目の四大大会(グランドスラム)タイトル獲得に挑む。

 男子では1969年のロッド・レーバー(Rod Laver)氏以降、年間グランドスラムの快挙を達成した選手はおらず、ジョコビッチはテニス史に名前を残すチャンスが来たことに意欲を燃やしている。

 ジョコビッチは「自分の前にあるのがどれだけ大きなチャンスかは分かっている」と話し、「最高のテニスをしたいというモチベーションは非常に高い。大きな刺激とモチベーションをもらっているのは間違いない」と続けた。

 今大会は、ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)、ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)、スタン・ワウリンカ(Stan Wawrinka、スイス)、ファン・マルティン・デルポトロ(Juan Martin Del Potro、アルゼンチン)、前回王者のドミニク・ティエム(Dominic Thiem、オーストリア)と、優勝経験者5人がけがで出場しない。

 そのため優勝への主な障害は、世界2位のダニール・メドベージェフ(Daniil Medvedev、ロシア)と3位のステファノス・チチパス(Stefanos Tsitsipas、ギリシャ)、東京五輪で金メダルを獲得した4位のアレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)という、実績をさらに積み重ねたい20代中盤の選手になるとみられる。

 それでもフェデラー、ジョコビッチと共に最多タイのグランドスラム20勝を挙げているナダルは、ジョコビッチが年間グランドスラムを成し遂げられない理由はないとみている。

「彼はすでに三つ勝っている。三つ勝っているのだから、四つ目も勝てる力があるのは疑いないことだ。道の75パーセントまで来ていて、次はおそらく一番得意とするハードコートでのプレーになる。だからできない理由がない」 (c)AFP/Jim SLATER