【9月5日 AFP】しょうゆを少し加えれば、どんな料理も、デザートさえもずっとおいしくなる。日本の食品大手キッコーマン(Kikkoman)のこの野心的な宣伝文句の狙いは、インドの人々にカレーからスイーツまで、ありとあらゆる料理にしょうゆを使ってもらうことにある。

 キッコーマンは今年、インド市場に本格的に参入した。13億人のインド国民に東アジアで広く使われている調味料のしょうゆをバターチキンやサモサに使ってもらうようにするのは容易ではないが、同社が1960年代に米市場に参入した時ほど苦労することはないだろう。

 キッコーマン・インディア(Kikkoman India)の代表、小里博栄(Harry Hakuei Kosato)氏は、米国に参入した当初は、色のせいで調味料とは思われなかったと語る。

 今日、じょうごを逆さにしたような形のキッコーマンの卓上型しょうゆ瓶は、米国の多くの家庭でおなじみの存在となっている。キッコーマンの売上高4400億円以上のおよそ半分を北米が占めているが、同社はインドでも同様の成果を挙げたいと考えている。

 売上高が伸びたのは、欧米で1980年代以降に日本食がブームになったためだが、キッコーマンは、菜食主義者が多いインドでは異なるアプローチを取ろうとしている。

 小里氏は、インドですしをはやらせようというのではなく、しょうゆを「インドのケチャップ」のように日常的な調味料にしたいと話す。応用が無限に利く調味料としてしょうゆを売り込むことで、インド人の心をつかめるのではないかと期待している。