■使ってみて、しょうゆの魅力に開眼

 新しいスタイルのインド料理を提供しているムンバイ(旧ボンベイ)のレストラン「ミルチ&マイム(Mirchi and Mime)」を経営しているプラシャント・イッサル(Prashant Issar)氏は、6年前にビリヤニ(インドの炊き込みご飯)に初めてしょうゆを使った。以来、サモサからラムキーマまで、さまざまなインド料理にしょうゆを少量加えている。

「キーマパオにしょうゆを使ってみたら、これはいけるぞと。風味がぶわっと広がったのです」

 イッサル氏は「表現できないこのうま味、きりっとした味は他にはありません」と説明し、「隠し味」になると語った。

 キッコーマンは、しょうゆの魅力を一般のインド人にも知ってもらおうとしている。そこで期待しているのが、料理研究家でもある俳優のシャリニ・カプール(Shalini Kapoor)さんのようなソーシャルメディアのインフルエンサーだ。

 カプールさんは、インドに出回っているしょうゆの「人工的な」味が好きになれず、しょうゆをインド料理に使うことなど想像もしていなかったが、使ってみて、しょうゆの魅力に開眼したという。

 小麦粉の生地をプレッツェルのような形にして油で揚げ、シロップに絡めた菓子「ジュレビ」にもしょうゆを使うカプールさん。「インドのデザートにすごく合うと思います」とAFPに語った。(c)AFP/Ammu KANNAMPILLY