【9月5日 AFP】2001年9月11日火曜日の朝、19人の男が米マサチューセッツ州ボストン(Boston)、首都ワシントン、ニュージャージー州ニューアーク(Newark)から飛び立つ4機の国内便に乗り込んだ。男らの目的は航空機を乗っ取り、大量破壊兵器として使うことだった。

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 最初の航空機、乗客・乗員92人(ハイジャック犯5人を含む)を乗せたアメリカン航空(American Airlines)ボーイング(Boeing)767型機は午前8時46分(日本時間同日午後9時46分)、ニューヨークの世界貿易センター(World Trade Center)ビルの北棟(North Tower)に突入し、上層階に巨大な穴を開けた。

 直後の午前9時3分(日本時間同日午後10時3分)、世界中の人たちがテレビの生中継で衝撃的な光景を見守る中、乗客・乗員65人(ハイジャック犯5人を含む)を乗せたユナイテッド航空(United Airlines)のボーイング767型機は世界貿易センタービルの南棟(South Tower)に激突した。

 さらに首都ワシントンで午前9時半過ぎ(日本時間同日午後10時半過ぎ)、乗客・乗員64人(ハイジャック犯5人を含む)を乗せたアメリカン航空のボーイング757型機が国防総省の本庁舎に衝突。建物の西側正面には巨大な穴が開いた。

 午前10時過ぎ(日本時間同日午後11時過ぎ)、4機目となる乗客・乗員44人(ハイジャック犯4人を含む)を乗せたユナイテッド航空のボーイング757型機が、ペンシルベニア州シャンクスビル(Shanksville)近郊の草原に墜落した。

 4機目のハイジャック犯らが何を標的にしていたのかは明らかになっていないが、あと20分でワシントンだったことから、連邦議会議事堂やホワイトハウス(White House)に向かっていた可能性も指摘されている。

 分かっているのは、世界貿易センタービルへの航空機衝突を携帯電話で知った一部の乗客らが、ハイジャック犯らに立ち向かったことだ。

 世界貿易センターの北棟と南棟はトランプの積み札のように崩壊し、大量のがれきとほこりとなった。

 南棟は午前10時前(日本時間同日午後11時前)、わずか10秒で崩壊。続いて北棟が午前10時28分(日本時間同日午後11時28分)に崩壊した。

 当時まだあまり知られていなかった国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)が犯行声明を発表した。4機に乗っていた人と地上にいた人、合わせて2977人が死亡。うち、2753人が世界貿易センターへの突入で死亡した。(c)AFP