【8月29日 AFP】フランス各地で28日、新型コロナウイルス対策で導入されている「衛生パス」に抗議するデモが行われた。衛生パスについて参加者らは、ワクチン未接種者に対し不当な制限を課すものと批判した。仏内務省は、この日のデモ参加者について約16万人と発表している。

 各地当局の報告によると、同日夕方までに確認された抗議デモは222件に上り、パリでは約1万4500人が参加した。16人の身柄が拘束され、警察官3人が軽傷を負った。週末のデモは、7週連続での開催となった。

 新学期を数日後に控えるなか、ボルドー(Bordeaux)では、子どもへのワクチン接種を拒否するとの声が複数の参加者から上がった。

 父親と一緒にデモに参加していた11歳の少年は「僕たちは実験用ラットではない」と述べた。少年の父親は「われわれは自由の国に住んでいる。大規模なワクチン接種を正当化できるようなデータはない」と主張し、ワクチンの接種を迫る圧力をレイプに例えた。

 衛生パスは7月中旬に導入され、その後適用範囲が拡大された。レストラン、劇場、映画館、長距離列車、大型ショッピングセンターなどを利用する際には、ワクチンの接種完了、もしくは検査による陰性の証明が義務付けられている。

 仏政府は、ワクチン接種を促し、4度目のロックダウン(都市封鎖)を回避するためには、衛生パスが必要であると主張。また、入院患者の大半がワクチン接種を完了していないとした。(c)AFP