【8月27日 AFP】中国の人気女優、鄭爽(Zheng Shuang)さん(30)に対し、上海の税務当局は27日、2019~20年のテレビドラマ撮影中に脱税などで罰金2億9900万元(約51億円)の支払いを命じた。

 中国の放送規制当局は、鄭さんが出演したテレビドラマの放映を中止し、今後の番組にも鄭さんを起用しないようプロデューサーに命じた。

 鄭さんは2009年、日本の「花より男子」の中国版ドラマ「一起来看流星雨(英題:Let's Watch The Meteor Shower)」でヒロイン役を演じ、その後も出演したドラマや映画が次々と成功してスターとなった。

 だが、国家新聞出版広電総局(State Administration of Press, Publication, Radio, Film and Television)は、脱税、高額報酬、いわゆる陰陽契約(実際の報酬を隠す二重契約)に対しては「ゼロ・トレランス(不寛容)」だと明言した。

 中国当局は、芸能人をもてはやす風潮を取り締まる動きを強めている。

 26日夜には、中国の主要な動画配信サイトで、映画女優ヴィッキー・チャオ(趙薇、Zhao Wei)さんの名前が検索できなくなり、出演した数々のテレビドラマのクレジットからもチャオさんの名前が削除された。

 また、ソーシャルメディアの微博(ウェイボー、Weibo)でも、チャオさんのファンが集うコミュニティーが突然閉鎖された。公式に理由は発表されていない。

 中国では、今月初めに中国系カナダ人の人気ポップスターで韓国の男性アイドルグループ「EXO(エクソ)」の元メンバー、クリス・ウー(Kris Wu)容疑者(30)がレイプ容疑で逮捕されるなど、大物芸能人のスキャンダルが相次いでおり、当局は「混沌(こんとん)としたファン文化」や芸能人の過剰なセレブぶりを抑制しようとしている。(c)AFP