【8月26日 AFP】厚生労働省は26日、米モデルナ(Moderna)製の新型コロナウイルスワクチンの一部に異物が混入しているとの報告を受け、163万回分の使用を見合わせると発表した。

 モデルナ製ワクチンの国内販売・流通を担当する武田薬品工業(Takeda Pharmaceutical Company)も、未使用の瓶の中に異物が見つかったと複数の接種会場から報告を受け、厚生労働省と相談した上、26日から3ロットのワクチンの使用見合わせを決定したと明らかにした。また、モデルナに緊急調査を依頼したという。

 一方、モデルナは声明で、「日本で流通しているワクチンの一つの製造ロット」から異物混入が報告されたと述べた。

「スペインの委託先工場の製造ラインの一つで問題があったとみている」との見解を示し、これまでのところ「安全性や有効性の問題は確認されていない」と報告した。

 また、「この製造ロットと隣接する2ロットの使用を保留にした」と述べる一方、異物が何であるかは特定しなかった。

 加藤勝信(Katsunobu Kato)官房長官は記者団に対し、異物混入による健康被害は報告されていないと述べ、違和感がある場合には主治医に相談するよう呼び掛けた。

 NHKによると、東京など8か所の接種会場で、未使用の瓶計39本から異物が確認された。

 防衛省は、大阪の大規模接種会場で今月6~20日に、今回接種が中止されたロットのワクチンが使用されたと明らかにした。

 厚生労働省は、ワクチン接種スケジュールへの影響を避けるため、武田薬品と協力して代替ワクチンを確保する方針を示した。(c)AFP