【8月27日 Xinhua News】(写真追加)中国四川省(Sichuan)の成都文物考古研究院は25日、成都市(Chengdu)郫都(ひと)区で周代の犀園(さいえん)村遺跡を発見したと発表した。同遺跡は、三星堆(Sanxingdu)遺跡や金沙遺跡に代表される初期蜀文化が、後期蜀文化へ移行する重要な過渡期に位置し、古蜀文明の重要な空白部分をさらに解き明かす可能性を秘めている。

 発掘現場の責任者、熊譙喬(Xiong Qiaoqiao)氏によると、犀園村遺跡は2020年10月に発見され、21年3月から詳細な調査と発掘が行われている。成都平原では珍しい西周中・後期から春秋時代に切れ目なく発展した遺跡で、西周時代と春秋時代の墓80基余り、住居跡10カ所余り、灰坑60カ所余り、灰溝3本、窯跡1カ所、かまど1カ所などが確認され、青銅器や玉石器、陶器などが大量に出土した。青銅器は主に剣や鐁(やりがんな)、帯鉤(たいこう、帯金具)、印章、敦(たい、盛食器)などが見つかり、中でも柳葉形剣と印章は、典型的な蜀文化の器物とされる。

 熊氏は「歴史・文化の復元、社会構成形態の再現、葬祭習俗の解明などいずれにとっても重要な意義を持ち、古蜀文化を研究する上でまたとない材料」と説明した。

 四川地区は文献史料が乏しいことから、考古学が先秦時代の歴史を構築する上で尋常でない意義を持つ。現在の考古学材料からみると、古蜀文化は宝墩(ほうとん)文化、三星堆文化、十二橋文化、後期蜀文化など幾つかの発展段階を経てきたと考えられる。

 熊氏は、同遺跡が宝墩遺跡や三星堆遺跡、金沙遺跡などに代表される初期蜀文化が、商業街船棺葬や新都馬家木椁墓(もっかくぼ)、双元村墓地などに代表される後期蜀文化へと移行する重要な過渡期に位置していると説明。古蜀文化を構築し、充実させるための重要な材料をもたらしたと語った。(c)Xinhua News/AFPBB News