元気になってね チリの小児科病院訪ねるセラピー犬
このニュースをシェア
【9月5日 AFP】南米チリの首都サンティアゴにある小児科病院に特別な客が訪れると、明るい声があちらこちらから上がった。つぶらな瞳で尻尾を振る4匹の犬が、病気の子どもらにひとときの安らぎをもたらしている。
ピパ、モロン、ペペそしてチムの4匹が定期的に訪れているのは、エセキエル・ゴンサレス・コルテス小児科病院(Exequiel Gonzalez Cortes Pediatrics Hospital)だ。手術を控えた子どもらだけでなく、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)との何か月もの闘いで精神的・肉体的に疲弊した病院スタッフらにも、多くの喜びを与えている。
写真と名前の入った身分証明書をつけた犬たちは、子どもたちのベッドを順番に回る。抱きしめられたり、小さな手でぎこちなくなでてもらったりする間、辛抱強く座っている。
犬と触れ合うことで、子どもらは痛みや体に巻いた包帯、しょっちゅう鳴っている医療機器の音をほんの一瞬、忘れることができるのだ。
頭に包帯をした女の子はベッドの上で顔を喜びに輝かせて、黒いラブラドルレトリバーのモロンをなでて抱きしめた。
病院訪問を取り仕切る「トレグア・ファンデーション(Tregua Foundation)」のドッグセラピスト、フェルナンダ・ロメロ(Fernanda Romero)氏は「子どもの顔がどんなに明るく輝くかを見ることに、この活動の意義があるのです」と語る。
小児外科医のヨランダ・プーラン(Yolanda Poulin)氏は「90%以上の子どもが、ドッグセラピーによって不安が軽減されています」と指摘する。
「このセラピーは、泣いたり怖がったりする子や、何時間もの絶食でおなかをすかせた子の助けになっています」 (c)AFP