【8月26日 AFP】国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は26日、2022年男子サッカーW杯(2022 World Cup)の開催国カタールに対し、外国人労働者が多数死亡しているにもかかわらず死因が明らかにされていないとして、調査を行うよう求めた。

 W杯開催を来年に控え、カタールにおける労働者の待遇をめぐる問題がたびたび取り上げられており、ドイツなど欧州各国が抗議している。

 アムネスティは、「(労働者の)若すぎる死と危険な労働環境を関連付ける証拠があるにもかかわらず、カタール当局は過去10年に亡くなった何千人もの移民労働者について調査してこなかった」と指摘した。

 報告書には「カタールが適切な調査を行わないまま、『自然死』や定義が曖昧な心臓まひを死因とした移民労働者の死亡診断書を、日常的に発行していることが詳細に記録されている」という。

 アムネスティは、資金が十分にある医療制度であれば、ほとんどの死因を特定できるはずだと指摘。死亡した移民労働者らの出身国の記録を調べたところ、カタールでは7割の死因が特定されていなかった。

 アムネスティによると、2017~21年に発行された死亡診断書18通を調べたところ、15通で「不特定の心臓まひ」や「事故や事件によらない急性呼吸不全」などの曖昧な言葉が使われていた。(c)AFP