【8月26日 People’s Daily】「中国の音声バレー(声谷)」と呼ばれるようになった安徽省(Anhui)合肥市(Hefei)のスマート言語音声技術集積地の、2020年の成績が明らかになった。集積地に入居した企業は1024社に達し、営業収入は1060億元(約1兆7900億円)に達した。8年間の発展を経て、「中国の音声バレー」は企業数・収入共に大台に乗った。

 安徽省安慶市(Anqing)の第1人民病院では、自動発券機の前で手を空中にかざすだけで、整理券が発券される。

 これは無接触自動発券機と呼ばれ、東超科技が研究開発したもので、相互ホログラフィックにより空中に像を結ぶ技術を採用してある。受診者はタッチパネルやキーボードに触ることなく、空中の手振りによって、受付や支払いなどの操作ができる。

 安徽省淮南市(Huainan)の病院では、付近の村に住む権循芝(Quan Xunzhi)さんが看病を受けていた。

「何週間も目まいが続いて、右脚に力が入らないんです、先生助けてください……」。医師の余中平(Yu Zhongping)さんが初診で簡単な診断を行ったところ、権さんは脳の血流不足に見えた。医師が病例システムに権さんの過去の病歴と現在の病状を入力したところ、システムは脳梗塞の疑いとCT検査の必要性を示した。CT検査の結果、果たして権さんは脳梗塞であった。

 この誤診を避けるシステムは科大訊飛(IFlytek)が研究開発した「スマート医療補助」である。2017年、「スマート医療補助」は国家臨床医の資格試験に合格し、成績は456点で人間の受験者のうち96.3%を凌駕(りょうが)した。現在、このシステムは中国国内200の自治体で診察の補助を行い、3万あまりの医療機関で5万人の医者を助け、1日あたり平均で40万の診断を行い、5000万人の患者を助けっている。

 東超科技や科大訊飛はいずれも「中国の音声バレー」に本拠を構えている。最も基礎のアルゴリズムや計算力からアプリの開発まで、またデータの保護やネットワークの安全のためのハードやソフトなど、「音声バレー」は非常に多様かつ高度な仕事をしている。人工知能分野において、中国トップクラスの産業基地となり、「音声バレー」のサービスはすでに電力・物流・教育・医療など多岐にわたる。多種多様なスマート製品が開発され、家々に入り込んでいる。

 現在までに、訊飛AI生態は4000社の企業をサポートし、150社をスタートアップさせ、80近くの企業を戦略的に投資している。また科大訊飛が開放したプラットフォームには219万の開発者チームが集まるなど、活況を見せる。「音声バレー」のスマート音声認識産業はすでに全国トップであり、同分野において全国の総生産額の44.2%を占め、事務・教育・医療などの諸分野に応用した製品は国内市場生産額70%のシェアを誇る。

 現在、合肥はすでに人工知能産業のイノベーションにおいて、世界的にも重要な位置を占めるようになっている。(c)People’s Daily/AFPBB News