【8月26日 AFP】イスラム主義組織タリバン(Taliban)に制圧されたアフガニスタンから同国民を退避させる米軍機内で生まれた女児が、同機のコールサイン(呼出名称)にちなんで「リーチ(Reach)ちゃん」と命名された。米軍関係者が25日、明らかにした。

 この女児の母親は21日、中東の中継基地からドイツ南西部ラムシュタイン(Ramstein)にある米空軍基地に向かう途中で産気づいた。基地到着後すぐに医療班が乗り込み、貨物室で出産。その後、近くの医療施設に搬送され、母子ともに経過は順調だという。

 米空軍機には他の航空機や管制塔と通信するためのコールサインがあり、大型輸送機C17の場合、通常は「リーチ(Reach)」の後に数字が続く。

 米欧州軍司令官のトッド・ウォルターズ(Tod Wolters)空軍大将は、このアフガニスタン人家族を退避させた輸送機のコールサインは「リーチ828(Reach 828)」で、女児の両親はそこから命名したと語った。

 ウォルターズ氏によると、リーチちゃんと両親は現在、他のアフガニスタン難民と一緒に米国に向かっている。

 今月20日以降、アフガニスタンの首都カブールから、欧州にある米軍基地を経由して退避した7000人のうち、医療を必要としたのはこれまで100人のみだという。

 そのうち25人は現地の病院に入院し、12人がすでに退院。ラムシュタイン基地に到着後に生まれた子どもは、他に2人いるという。(c)AFP