【8月25日 Xinhua News】精巧に作られた小さくて古風な香り袋から、爽やかな薬草の香りが漂う。この作品は、100年近い歴史を持つ中医薬メーカーの蘭州仏慈製薬と中国江蘇省(Jiangsu)にある南京雲錦博物館のコラボレーションによって生み出された。

 中医薬文化と無形文化遺産「雲錦」の技法を組み合わせることで、伝統的な中医薬の変化が引き出され、人々の注目を集めている。

 中医薬は中国文明の至宝だが、多様化する市場競争の中で若者の注目をいかに集めるかが、その継承と革新における新たな課題となっている。

 蘭州仏慈製薬は今年3月、アズキとハトムギ、オニバスの実をブレンドした茶や、クコの実と菊、決明子(けつめいし)のブレンド茶、白桃ウーロン茶など、さまざまなティーバッグを相次いで発売した。若年消費者市場をターゲットに想定し、パッケージデザインには中国伝統文化の要素をふんだんに取り入れた。

 7月現在、同社の茶飲料製品のオンライン取引額は2100万元(1元=約17円)で、主な購買層は30歳前後に集中している。

 ここ2年間で、より多くの中医薬の老舗が薬局から出て、学問や業界の分野を超えた協力により、中医薬の現代化を加速させてきた。

 北京市内では、300年以上の歴史を持つ中医薬の老舗「同仁堂」が、健康的な食生活と社交・文化・娯楽を一体化した複合コンセプト店をオープンし、ハーブコーヒーやシナモンカプチーノ、クコの実ラテなどの大人気商品が誕生している。

 甘粛中医薬大学薬学院の寧艶梅(Ning Yanmei)副教授は、中医薬文化が現在まで存続してきた理由について、奥深い文化の核心部分が絶えず時代に適応し、個人の健康ニーズを満たしたので、中国人が何世代にもわたり、中医薬への愛情を持ち続けてきたと説明した。(c)Xinhua News/AFPBB News