【8月24日 AFP】米南部フロリダ州で23日、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、新学期が始まり、対面授業が再開された。州知事は学校でのマスク着用義務化を禁じているが、それに従わない学区もある。

 全米で4番目に大きな学区、マイアミデード(Miami-Dade)郡にあるバーバラ・ゴールマン・シニア高校(Barbara Goleman Senior High School)は、1年にわたりリモート授業を行っていたが、対面授業を再開した。笑顔で自撮りをする生徒もいれば、眠そうな顔で教室に向かう生徒もいた。

 ロン・デサンティス(Ron DeSantis)知事(共和党)は7月30日、州内の学校でのマスク着用の義務化を禁じる知事令に署名した。しかし、マイアミデード郡を含む7学区は、知事令に従うことなく対面授業を再開した。

 フロリダ州政府は先週、2学区に対し、48時間以内に知事令に従わなければ、教育委員会の委員報酬の財源となる予算を削減すると発表していた。

 しかし、一部の学区は、米疾病対策センター(CDC)のガイドラインに従い、生徒と教職員にマスク着用を指示した上で新学期を迎えた。

 マイアミデード学区のアルベルト・カルバーリョ(Alberto Carvalho)教育長は23日、バーバラ・ゴールマン・シニア高校を訪れ、マスク着用義務について、「政治的なシンボルではない。予防的な措置だ」と説明した。

 生徒たちは、このルールに従う以外に選択の余地はないと考えているようだ。1年間リモート学習をしてきた生徒らは、マスクを着用しなければならないとしても、再び教室でクラスメートと一緒に学ぶことを何よりも望んでいる。

 最終学年を迎えた男子生徒は、対面授業の再開を喜び、マスクを着けることに決めたと述べた。「感染者がまた増えてきているので、安全でいるためには良いことだと思う」

 クラスメートの男子生徒も、「去年はとても大変な状況だった。学校に戻って来ることで状況が変わればいいと思う。(マスク着用は)不快だけれど、この決定は理解できる」と述べた。(c)AFP/Gerard MARTINEZ