【8月23日 AFP】(更新)アフガニスタンのイスラム主義組織タリバン(Taliban)は23日、米国などの外国軍部隊が今月31日の撤収期限を越えてアフガンに駐留すれば「結果」を伴うと警告した。

 各国は、強硬派イスラム政権の復帰から必死に逃れようとする外国人やアフガン人を退避させるため、数千人の部隊を再びアフガンに派遣。米政府に対しては、撤退期限延長を求める圧力が高まっている。

 タリバンのスハイル・シャヒーン(Suhail Shaheen)報道官は英スカイニューズ(Sky News)に対し、合意された期限を過ぎた駐留は「占領の延長」となると指摘。「米国や英国が退避を継続するためにさらに時間を要求するなら、答えはノーだ。さもなくば結果を伴うことになる」と語った。関係者2人がAFPに語ったところによると、タリバンは最後の米兵が出国するまで政府や内閣の構成を発表しない意向だ。

 首都カブールでは、国外退避を希望する人々が殺到したことで、少なくとも8人が死亡。人々が圧死したり、少なくとも1人が飛行機から転落死したりするなど、悲惨な光景を引き起こしている。

 ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領は、今月末までに米軍の撤収と人々の退避を完了させる意向を強調。米国防総省は23日、カブールの空港から過去24時間で約1万6000人を退避させ、今月14日に始まった空輸作戦で避難した人の数は3万7000人になったと発表した。

 しかし欧州連合(EU)と英国は、31日までに全員を退避させるのは不可能としており、バイデン氏には期限延長を求める圧力がかかっている。ドイツは23日、カブールの空港からの退避を来月以降も続けられるよう、北大西洋条約機構(NATO)同盟国と共にタリバンと協議していると発表。フランスは期限に対する「懸念」を表明し、「進行中の作戦を完了するためには、さらなる時間が必要だ」とした。(c)AFP/David Fox