【8月23日 People’s Daily】中国の全国炭素排出権取引市場の取引が7月16日に始まった。午前9時30分に取引を正式に開始し、10分後には累計成約額が2000万元(約3億4000万円)を超えた。1日4時間の取引の出来高は410万トンで、終値は1日で6.7%上昇した。

 全国炭素市場の取引は開始以来活発で、取引価格は安定的に上昇し、市場は大過なく推移している。7月30日までに、全国炭素市場の炭素排出枠の出来高は600万トンに迫り、成約総額は3億元(約51億円)近くに達した。発電業界は全国炭素市場で扱われる最初の業界で、参加する重点排出事業者は2000社を超え、年間約45億トンのCO2排出量をカバーする。

 全国炭素市場の取引が開始する前に、地方炭素市場のパイロット事業はすでに10年間にわたって展開され、多くの企業のグリーンモデルへの転換を推進してきた。「当時、わが社は1トン当たり60元(約1000円)で約25万トンの排出枠を購入した」と、2014年の初回の炭素取引に対し、広州恒運企業集団株式有限公司の周水良(Zhou Shuiliang)副社長は記憶に新しく語った。広東省(Guangdong)は炭素排出権取引の試験的実施を行った最初の省の一つで、重点電力生産企業の広州恒運は2014年に炭素排出管理企業に組み込まれたが、その際に排出枠が不足しており、契約を履行するために約1500万元(約2億5300万円)分を購入した。

 取引試行事業の深化に伴い、広州恒運は排出削減が負担なだけでなく、炭素資産管理や排出削減技術の応用が経済効果をもたらすことを徐々に認識してきた。そこで、会社として省エネ・排出削減の専門クラスを立ち上げ、発電ユニットをアップグレードし、天然ガス発電など低炭素のクリーンエネルギープロジェクトを大いに発展させた。一連の改造とアップグレードにより、同社は排出枠の購入から炭素資産の売却による利益への転換を実現した。2020年に炭素資産の売却で3000万元(約5億1000万円)余りの利益を得た。

 広州恒運のように、多くの排出制御企業は炭素市場がもたらした利益を享受した。「より多くの企業が、自発的な排出削減のみが、グリーン化・低炭素化へのモデルチェンジの潮流の中で有利なイニシアチブを取ることができると意識した」。広州炭素排出権取引所の孟萌(Meng Meng)社長によると、テスト運用中の広東炭素市場は比較的活発で、今年6月までの炭素排出権の累計成約額は40億元を超え、全国1位となった。

「さらに重要なのは、炭素市場は良好な削減効果を着実に推進しており、炭素排出総量の抑制、指標配分、契約履行メカニズムにより、広東炭素市場全体で絶対量の削減を実現した。2019年の削減量は4374万トン、削減幅は11.4%に達した」。孟氏は、海外での実践であれ国内でのパイロットであれ、炭素市場が最低コスト、最高効率で削減を実現できる政策ツールであることを示している。

 炭素市場で取引される製品は炭素排出権だ。広州恒運のように、一定の排出枠を獲得した排出抑制に取り組んでいる企業は、実際の排出量がその排出枠を超えた場合、炭素市場で他の市場主体の排出枠を購入しなければならず、削減に成功すれば余った分を売却することができる。7カ所のテスト運用状況を見ると、ここ2年間の加重平均炭素価格は約1トン当たり40元(約677円)前後だった。北京グリーン取引所の梅徳文(Mei Dewen)社長は、試験地区では有益な探索が行われたが、市場規模が限られているため、炭素排出の総合的な社会コストをリアルに反映する炭素価格が形成されていないとみている。合理的かつ効果的な炭素価格をみつけるのは、全国炭素市場建設の重要な目標任務だという。(c)People’s Daily/AFPBB News