PCR検査が容疑者も「発見」 中国で20年以上逃走の殺人容疑者ら次々逮捕
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【8月23日 東方新報】中国で20年以上逃亡を続けていた殺人事件などの容疑者が、新型コロナウイルスのPCR検査をきっかけに次々と逮捕されている。
湖北省(Hubei)荊門市(Jingmen)沙洋県(Shayang)では8月に入り新型コロナの感染者が見つかり、県内の住民全員にPCR検査を実施。警察官らが戸別訪問で検査を呼びかけていた9日、ある団地で身分証証明書の提示を拒んだ男がいた。警察署に連行したところ、1999年に妻を殺害した疑いで指名手配された容疑者と判明し、逮捕した。男は今月、湖北省以外から同県に潜伏していたという。
中国ではPCR検査を行う際、警察官と地区の衛生担当者や住民ボランティアらがくまなく戸別訪問を行い、すべての住民に検査を呼びかける。この徹底したローラー作戦で指名手配の容疑者が発見されるケースが相次いでいる。
遼寧省(Liaoning)瀋陽市(Shenyang)では1月、名前を名乗らない男について警察官が身元確認を進め、21年前に吉林省(Jilin)で同級生を殺害した故意殺人罪で指名手配を受けている容疑者と判明。3月には新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)で、23年前から逃亡を続けていた殺人事件の容疑者がPCR検査の身元確認を通じて逮捕された。33年前に弟を殺害した容疑の四川省(Sichuan)の男はPCR検査を巡り、既に死亡した男性の身分証明書を持っていたことが発覚して逮捕された。
逃げ場を失った容疑者が自ら出頭するケースも出ている。2月には、貴州省(Guizhou)の強盗事件で服役中の2000年に脱走した男が警察署に出頭。男はこれまで各地でアルバイトをしながら逃走を続けてきたが、新型コロナ抑制のため地域の住民登録が徹底されて部屋を借りられなくなり、野宿生活の末に「もう耐えられない」と観念したという。1998年に強盗殺人事件を起こした吉林省出身の男も「行き場所がなくなった」と貴州省で出頭した。インターネット上では「PCR検査はウイルスだけでなく、長期の逃走容疑者も検知する」とユーモアを交えた書き込みも見られる。(c)東方新報/AFPBB News