【8月23日 AFP】中国では近年、米プロレス団体WWE式のプロレス興行がはやりつつある。椅子を使った攻撃が決まると観客は息をのみ、歓声を上げた。レフェリーが駆けつけたが、倒れている相手に大したけがはない。

 中国南部の深セン(Shenzhen)市で5月、プロレス団体ミドル・キングダム・レスリング(Middle Kingdom WrestlingMKW)よるプロレスイベントが開催された。初めてプロセスを見たというスー・サン(Su San)さんは、「荒々しいけれど楽しかったです」と語った。約200人が戦いを楽しんだ。

「ゾンビ・ドラゴン」の名で知られる米国のレスラー、アルベルト・カリー(Alberto Curry)さん(31)は、世界で最も人口の多い中国で、スポーツと娯楽の二つを兼ね備えたプロレス興行を発展させるために尽力している。

「米国ではプロレスが盛んですが、市場は飽和状態です。たくさんありすぎて、消化しきれません」

 一方、中国でプロレスの歴史は浅く、多くの人がプロレス自体をまだ知らないという。「一度キャラクターや衣装を見ると夢中になってくれます」とカリーさんは話す。

 MKWの創設者のエイドリアン・ゴメス(Adrian Gomez)代表は、中国のプロレスは依然としてニッチなスポーツだと認める。

「中国の文化はプロレスになじみやすいため、最終的には独自のスタイルになると思います」とゴメス氏。いつの日か本家の米国にレスラーを送り込みたいと考えている。

 映像は5月に取材したもの。(c)AFP