【8月23日 AFP】イスラエル政府は22日、3~12歳の子どもを対象に、全国で新型コロナウイルス抗体検査を開始した。新学期を前に、ワクチン未接種の年齢層の抗体保有率を把握することで、学校閉鎖の回避につなげるのが狙い。

 イスラエルでは感染力の強いデルタ株の影響で、1日当たりの新規感染者数が急増している。だが、政府は学校閉鎖に伴うさまざまな困難や、学習の遅れを何とかして避けたい考えだ。

 12歳以上へのワクチン接種はすでに始まっているため、今回の抗体検査は予防接種をまだ受けていない3~12歳の子ども約150万人が対象。保健省と教育省、および民間防衛軍が共同で実施する。

 教育省によると検査の目的は、無症状感染などで感染者として報告されていないものの、新型コロナウイルス感染により強力な抗体を獲得した子どもの人数を把握することだ。十分な抗体を保有する子どもは、濃厚接触者になっても隔離対象とはしない方針で、新学期の混乱を抑えることを目指す。

 沿岸部の都市ネタニヤ(Netanya)の検査場を親子で訪れた女性は、息子が新型コロナウイルス感染経験者だと判明したことに驚きをあらわにし、「息子は陽性でした。病気にかかっていたようですが、全く知りませんでした」とAFPに語った。(c)AFP/Nir Kafri