【8月22日 AFP】2001年に米国とのアフガニスタン攻撃を決めた英国のトニー・ブレア(Tony Blair)元首相は21日、米国のアフガン撤退を「アフガニスタンを見捨てること」と批判し、「危険」で「不必要」だと指摘した。

 ブレア氏は、アフガニスタン政権崩壊後初となる公式声明を自身の研究機関のウェブサイトに寄稿。米国の撤退は「愚か」で、「大きな戦略ではなく、政治に基づくもの」だと批判した。

 また「アフガニスタンとその国民を見捨てることは悲劇的で、危険で、不必要であり、彼らの利益にもわれわれの利益にもならない」と指摘。撤退は「『永遠の戦争』に終止符を打つという愚かな政治的スローガン」に従ったものだと主張した。

 ブレア氏の声明は、昨年の米大統領選の選挙活動で「永遠の戦争」という言葉を繰り返し使ったジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領への批判と受け止められている。

 首相在任時はアフガニスタンとイラクにおける米主導の軍事行動を強く支持し、英国内外で物議を醸したブレア氏は、撤退によって「世界中のすべてのイスラム過激派組織が歓喜する」と主張。

 さらに「ロシア、中国、イランが(この機会を)利用するだろう」と強調した。

 1997年から10年間首相を務めたブレア氏は、ジョージ・W・ブッシュ(George W Bush)元米大統領といわゆる「テロとの戦い」において緊密な同盟関係を築いた。(c)AFP/Joe JACKSON