【8月22日 AFP】メキシコ東部に上陸したハリケーン「グレース(Grace)」により、21日までに生後2週間の乳児ら子ども5人を含む少なくとも8人が死亡した。洪水、土砂災害が発生し、住宅などが被害を受けた。

 カテゴリー3のグレースは、風速56メートルの強風を伴い、ベラクルス(Veracruz)州テコルトラ(Tecolutla)付近に再び上陸した。

 同州州都ハラパ(Xalapa)の道路は茶色い泥水の川に変わった。

 クイトラワク・ガルシア(Cuitlahuac Garcia)州知事は会見で、テコルトラで7人、ポサリカ(Poza Rica)で1人が死亡したと述べた。うち6人は、丘陵の斜面が崩れ、自宅が埋もれた家族の母親と子どもだった。

 父親のアダン・モレノ(Adan Moreno)さんはAFPに、「地面が崩れる音が聞こえた。丘が押し流され、みんなそこにいた。私の妻と6人の子どもが」と声を詰まらせた。

 モレノさんは親類と一緒に土を掘ったが、助け出せたのは子ども1人だけだったという。妻と生後2週間の娘を含む5人の子どもは助からなかった。

 米国立ハリケーンセンター(NHC)によると、首都メキシコ市に大雨をもたらしつつ、内陸部を通過したグレースは消滅した。だが、来週には太平洋で新しい熱帯低気圧が発生する可能性がある。(c)AFP/Ignacio Carvajal