【8月24日 Xinhua News】中国香港特別行政区政府統計処がこのほど発表した2021年央の香港特区の人口は、前年同期比8万人以上減少した。アナリストは、人口が純流出となった主な原因について、新型コロナウイルス対策と関連があると指摘した。

 香港特区政府報道官は、新型コロナの影響が続く中、特区や世界の他地域では厳しい入国規制や検疫措置が実施され、国際的な往来に深刻な影響が出ていると説明。「香港への流入人口(香港・マカオ往来通行証所持者、外国人家事労働者、各種入境プログラムを通じて香港で就労・通学をする人を含む)は引き続き低水準にとどまる」と述べた。

 注目すべきは、常住人口でなく流動人口がここ数年来で最も減少した点だ。流動人口は過去10年間、20万人以上で推移していたが、19年末は30%激減して15万人となり、20年は新型コロナの感染拡大で10万人台を割り、最新データでは6万4200人となった。新型コロナに伴う流動人口の激減が、香港特区の人口を引き下げた最大要因となっている。

 20年央から21年央にかけての人口減少は、死亡数が出生数を上回る自然減と、流入が流出を下回る純流出がもたらした。7万5300人の純流出は、香港・マカオ往来通行証所持者1万3900人の流入と、香港住民8万9200人の流出による。

 過去1年の純流出が、約9万人の移民を意味するものではない。特区政府報道官が説明したように、純流出は香港住民が就労や通学などの目的で香港を出入りする移動を含んでおり、その概念は移民とは異なる。報道官は「香港は国際都市であり、人口の流動性は一貫して高水準を維持している。過去10年間、香港・マカオ往来通行証所持者を除く香港住民の純流出は、ほぼ毎年見られる」と指摘した。

 香港特区のエコノミストでシルクロード智谷研究院院長の梁海明(りょう・かいめい)氏はデータを引用し、人口の純流出は国際金融センターでよく見られ、ニューヨークやロンドンなどでもここ数年、人口の純流出が見られると指摘。主な原因は国際金融業界でしばしば行われる業務調整であり、それに伴う関係者の流動も起きていると述べた。(c)Xinhua News/AFPBB News