【8月20日 CGTN Japanese】南京市(Nanjing)衛生部門の19日の発表によれば、感染症対策専門家チームが総合的な研究を行った結果、同市全域が低リスク地区に移行し、7月27日以降初めて、市内には中・高リスク地区が存在しないとの判断を示しました。8月19日までに今回の新型コロナウイルス感染では累計235人の現地感染確診患者が報告されました。うち、退院した人は79人です。

 南京市は中国東部の沿海部に位置する江蘇省(Jiangsu)の省都です。今回の感染対策において臨時PCR検査実験室は感染状況のスクリーニング、感染経路の遮断、患者の治療などの面でかけがえのない役割を果たしました。7月20日に感染拡大が確認されてからの1週間、南京市は27日までに、市内計6カ所の臨時PCR検査実験室を完成させ、常住人口931万人に対して、1日当たりの検査能力を700万人分に引き上げました。この作業により、南京市では全市民を対象とする規模のPCR検査を2〜3日以内に完了できるようになりました。

 この臨時実験室はエアドームモジュール、コンテナなどにより構成されたもので、迅速に使用を開始でき、機動性に富む特徴があります。同様の実験室は南京市のほか、中国中南部地域の湖南省(Hunan)張家界市(Zhangjiajie)、南部の海南省(Hainan)海口市(Haikou)などの、感染が散発的に発生している地域でも広く使用されています。

 臨時PCR検査実験室は実際のところ、臨時病院の延長線上にある応用です。湖北省(Hubei)武漢市(Wuhan)では昨年2月初め、新型コロナウイルスの大規模な感染が発生した際、市内の武漢国際コンベンションセンターなど既存の建物などの施設に「臨時病院」3カ所がたった一晩で設営され、4000床のベッドが臨時に増設されました。

 臨時病院の内部にはナースステーション、救急室、患者通路、医療用品保管所などのエリアがあり、その後にCT検査室エリアも設けられました。これらの「臨時病院」は軽症と診断された患者を専門に収容し治療するために用いられ、専門医療機関の収容や治療の圧力を大幅に緩和しました。現在、中国国内では多くの場所で散発的に感染が発生していますが、各地の既存の医療機関の専門病棟は患者を受け入れて治療するのに十分な収容能力を持つようになっています。そのため、「臨時病院」はその役目を終え、ほぼ閉鎖されました。

「臨時病院」は、いくつかの移動可能なモジュールによって構成された野戦機動医療システムです。これらのモジュールは既存の建物やテントなどの仮設施設を利用して設営することができ、さまざまな応急治療に広く使われています。「臨時病院」には機動性に優れ、設営の時間が短く、環境適応性が強いなどの特徴があり、2008年の四川ブン川大地震、2010年の青海玉樹地震などの緊急医療救援活動にも投入され、傷病者の救急で大きく活躍しました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News